高校でサッカー部に入ったとき、周りには「プロになりたい」と口にする仲間が何人かいました。私の学年でも、本気で高卒でのプロ入りを目指していたのは、1〜2人くらいだったと思います。
結果から言うと、その中からプロになった人は、私の学校にはいませんでした。当時は「やっぱり難しいんだな」くらいに思っていたのですが、先日ふと「実際、高校からプロになれる人ってどれくらいいるんだろう」と気になって、調べてみました。すると、肌で感じていた以上に、狭き門だったんです。
まず、高校年代のサッカー選手は何人いるの?
日本サッカー協会(JFA)の登録データによると、2024年度の「第2種(高校年代)」の登録選手は、150,750人です。そのうち、高校のサッカー部(高体連)が146,216人で、全体の約97%。残りの多くは、Jクラブのユースなどのクラブチームで、4,266人です。
この人数は、1年生から3年生までの合計です。単純に3で割ると、1学年あたり約5万人。
つまり、毎年およそ5万人の高校3年生が、卒業のタイミングを迎えている計算になります(3学年が同じ人数だとした、ざっくりした計算です)。
ちなみに、この登録数は少しずつ減っています。2016年度は178,577人でしたが、2024年度は150,750人。8年間で約16%減りました。少子化の影響もあるのでしょう。それでも、これだけ多くの人が高校でサッカーを続けているんですね。

その中で、高卒でJリーガーになるのは何人?
次に、Jリーグに新しく加入する選手を見てみます。Jリーグ公式の新人研修の報告(2019年)には、新加入選手の前の所属ごとの人数がありました。
- 新加入選手:182人
- 大学出身:95人(約52%)
- ユース出身:56人(約31%)
- 高校出身:24人(約13%)
- その他:7人
高校出身の24人は、1学年約5万人(2019年度の登録数から計算すると、約5万8千人)のうちの24人です。割合にすると、約2,400人に1人です。

ほかの年はどうでしょうか。
個人の方が集計した2020〜2024年のデータでは、高校出身は年に16〜38人で、平均は約27人でした。新加入全体の約15%です。平均の27人で計算すると、約1,900人に1人です。年によってばらつきはありますが、「2,000人に1人前後」という感覚は、大きくは変わりませんでした(この個人集計は公式のものではないため、あくまで目安です)。
実は、プロへの一番の近道は「大学」だった
もうひとつ、数字を見て「そうなんだ」と思ったのが、新加入選手のいちばん多くが大学出身だということです。公式の2019年の数字では、半分以上(約52%)が大学出身でした。
思い返すと、私の周りでもそうでした。高卒でプロになった人はいなかったものの、大学からオファーを受けて、Jリーガーになった人は一定数いたんです。
私の出身は神奈川県です。サッカーが盛んな地域でも、高卒でプロになった人は、5人いるかいないか、という印象でした。「地方だったら、もっと少ないんだろうな」と、当時から何となく感じていました。調べてみて、その感覚はそれほど外れていなかったのだと思います。
高校を卒業してすぐプロになる道は、とても狭い。でも、そこで道が閉ざされるわけではありません。大学で力をつけて、4年後にプロの扉を開く人が、数字の上でも一番多いのです。

数字を知って、思ったこと
プロを目指していた仲間たちは、誰も「無理だ」とは言いませんでした。私も、止めようとは思いませんでした。でも、数字を見たあとだと、あの頃の真剣さが、あらためてすごいことだったと感じます。
願えば叶う、とは言えない世界です。
それでも、高卒だけが道ではないと知っていれば、選択肢は広がります。もし今、プロを目指している中高生や、応援している保護者の方がいたら、「高校で決まらなかったら終わり」ではないことを、ぜひ覚えておいてほしいと思います。
まとめ
- 高校年代の登録選手は150,750人(2024年度、1学年あたり約5万人)
- 高校から直接Jリーガーになるのは、年に20〜30人ほど。割合にすると、2,000人に1人前後
- Jリーグの新加入選手でいちばん多いのは、大学出身(2019年は約52%)
次に高校サッカーを観るときは、ピッチに立っている選手のひとりひとりが、この狭い門に挑んでいる最中なのだと思って見てみてください。応援の気持ちが、少しだけ深くなるはずです。

出典(記事末尾などに載せる場合):
- 日本サッカー協会「サッカー選手登録数」「種別区分別男女区分別登録数集計表(2024年度)」
- Jリーグ公式「今年はどのチームからプロ選手が生まれたのか? Jリーグ新人研修に参加した選手の出身チームをぜんぶ見てみました」(2019年)
